翌朝、騒がしい人たちに出会った：一人の男性と二人の女性だった。
　明らかに変わったグループだ。

１３番札所向いの一宮神社

　8時前には、１３番（大日寺）、１４番（常楽寺）、 １５番（国分寺）、１６番（観音寺）と １７番（井戸寺）に向けて、15キロの道に出発した。
　まず、旅館の隣宿のすぐそばに１２番札所大日寺がある）から始めた。
　昨夜は雨が降っていたが、もうやんでいた。
　それでも曇っていて、とても寒い。
　お参りしてから、田んぼの間の狭い道を歩いて行った。

岩船地蔵尊

　そのあとは、町の中に入って行く。
　四国で最初の日に泊まった徳島に戻ってきた。
　丁度ひと回りして、明日からは南に向かうことになる。

第1３番国分寺

　11時頃、Melsは焼きたてのパンの匂いがすると言う。
　当たりだった！
　通りの一角にパン屋があり、その奥にはティールームがある。
　私たちはケーキを買い、無料のコーヒーをいただいた。
お接待！
　それで、別のお菓子とアイスクリームも買った。

　今日の札所をすべて参拝して、ホテルに向かっていると、 神道の神社で腰を下ろしている西洋人の二人連れがいた。
　アメリカから来た若いカップルで、遍路道を歩くのは初めてだが、無料の宿に泊まろうと考えている。
　昨夜はうまくいかなくて、橋の下で寝たそうだ。彼は１８度の寝袋を持っているが、彼女の方は明らかに疲れ切っていた。
　彼女は友好のしるしとして、手作りのブレスレットを、私にくれた。
　私は、小さなデルフト焼のオランダ靴をあげた。

　昨年は、１７番札所から眉山の西麓と南麓を通り、森の中や峠を越えた。
　今回は、反対側の道を通って、宿のある街の中心部に向かった。
　地図を見ると、マクドナルドの店が何軒もある。
　そこにはWiFiがあるはずだと思って、2軒に立ち寄ってみたが駄目で、立ち寄り損だった。
　フライドポテトなどを食べてから、宿に向かったが、背中の具合がおかしくなった。
　二三日前に転んだためのようだ。
　パラセタモール（訳注：鎮痛剤）を少し飲むと、また歩けるようになった。

　宿の看板が読めないので、宿を見つけられない。
　半キロメートルほど行き過ぎたところで、男の人がいて、私たちを宿まで連れ戻してくれた。
　彼は、彼が言うところの”キングズ・イングリッシュ”をほんの少しだけ話した。

　ビジネスホテル近藤は、ちょっと古びていた。
　細長い部屋に、少し離れたシングルベッドが二つ、ソファー、 キャンピングテーブルと椅子が2脚；小さなバスタブのあるバスルーム、シャワーとトイレ。
　Wifiは使えない。
　宿の主人は、二、三度電話してくれたが、WiFiはどこで使えるかわからなかった。
　そのとき、Melsは、いま私たちがいるのは、 四国で最初に泊まったWiFiのある一流のホテルから500mほどのところだということに気づいた。
　・・・気がつくのが遅すぎた！